合気道の神髄:呼吸力

合気道において、「呼吸」という言葉は「呼吸力」「呼吸法」「呼吸技」、そして「呼吸投げ」といったかたちで頻繁に使われています。「呼吸」という言葉を使った用語はたくさんありますが、この合気道にも存在するのです。そのなかでも特に重要な言葉が「呼吸力」ではないでしょうか。

難しい「呼吸力」の意味

「呼吸力」言葉は、合気道においてとても重要な意味を持つ言葉です。しかし、その意味合いを理解することは容易ではありません。なぜなら、「気」という目に見えない力に関わることだからです。それゆえ、人によって呼吸力の説明の仕方が変わってきます。ある人は「筋肉を使わない、気を使った力」と説明し、またある人は「力、すなわち気力を主体とし、それに肉体的なあらゆる力を結合したもので、気・魂・体の三位一体によって現れた人間の真の力」と表現するでしょう。また、合気道の元となった大東流合気柔術における合気と呼吸力とが同一視されることもありますが、この見解については定かではありません。いずれにせよ、気(または他の何か目に見えない力)のことを「呼吸力」と呼ぶのは間違いないようです。そして、この力には、その名の通り、呼吸が大きく関わってきます。横隔膜を使った呼吸、つまり腹式呼吸を行うことで起こる腹圧の変化がこの力を生み出すのです。

「呼吸」「気」「力」というこの3つの言葉が密接に関わっていることは間違いありません。合気道に限らず、他の武術にも思い巡らすことで、きっと武術における呼吸の重要さを認識できるでしょう。