ヒクソン・グレイシーとヨガの呼吸

ブラジリアン柔術のグレイシー家には、その中でも最強と呼ばれた男がいました。すでに実戦からは身を引いた彼はキャリア400戦で一度も負けなかったと自負しました。実際に日本で知られるようになってから行われた11戦の試合すべてにおいて勝利を収めました。その彼の名はヒクソン・グレイシー。格闘技界において伝説の男として名を馳せています。

ヒクソン選手が行っていたヨガの呼吸法

テレビのプロモーション番組などで、ヒクソン選手が試合を盛り上げるために何か奇妙な動きとともに呼吸している姿を目にしたことがある方もいらっしゃることでしょう。そう、あれが実はヨガの呼吸法です。実際のところ、ブラジリアン柔術そのものには、特別な呼吸法などは含まれません。ヒクソン選手レベルが独自に研究を重ねた末、ヨガに出会うことになったのです。

火の呼吸

ヒクソン選手が行っていた呼吸法は、「クンダリーニ・ヨガ」という、いわゆる「火の呼吸」として親しまれている呼吸法です。ヨガと言えば、今日においてはエクササイズの一種として定着していますが、本来は古代インド発祥の宗教的行法であり、より宗教的なものでした。そして、この「火の呼吸」は、悟りを得るために必要なシャクティ(性力)を活性化させるために行うものとされています。ヒクソン選手がどのような意図を持ってこの火の呼吸を行っていたかについては不明ですが、きっと何らかの効果を実感していたのでしょう。火の呼吸にはプラーナ(「気」と同義)の通り道のバランスを保つ効果があると言われており、ヒクソン選手はこれを行いながら戦うための活力を得ていたのかも知れませんね。